学校法人みかしほ学園 日本調理製菓専門学校 相談役(前理事長) 水野昭二

<筍>
標高300メートル内外の大市山群は、その気候風土が筍を育てた。
地層は鉄分の多い赤い粘土層で筍の育成に適し、白くて柔らかく、きめが細かいアクの少ない形のよい筍の産地として京都山崎の筍にも劣らぬ高い評価を受けている。

<蓮根>
約80年前(大正初期)水稲栽培が困難な湿田を利用して蓮根づくりを始めてから収益性がよかったので栽培農家が増えた。蓮根は白いことが大切で手数のかかる作物であるが、大津区勘兵衛を代表に網干あたりの水田には湧き水があり大変美しい白くて柔らかい蓮根ができ勘兵衛地方が有名になった。

<素麺>
播磨平野の質の良い小麦粉、赤穂の塩など好材料がそろっていて、しかも良い水が加わり、昔は揖保川、夢前川の河川利用の水車製粉が発達し鉄分の少ない揖保川の水は素麺づくりに適し、さらに11月から3月にかけて寒冷な雨の少ない気候が天日乾燥を安易にした。この好條件を農閉期の農家の副業として発達し、今もかなりの生産量がある。
手作りの伝統を守っており日本人の作りだした芸術品である。そうめん作りの名人といわれている人も多くあり、揖保そうめんとして、200年の伝統の地場産業が農村婦人の技術によって支えられた。

<穴子・蝦蛄>
播磨灘の沖には鹿の瀬という魚の宝庫もあり、瀬戸内には海流、島、天気等、諸条件等が世界一、味のよい魚を生み出している。この条件の中で播磨灘の沿岸は遠浅で砂泥地が多く、良い穴子やシャコの生息地となっており漁獲量も多く、また漁港に近いので鮮度の良いものが手に入り、すばらしい味を満喫できるのである。
大阪の人がシャコは播磨に限るといわれるのもむべなるかと思われる。

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